6.

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荒潟の家に着いたのは朝6時前だった。 俺は助手席で眠りこけていたから良いが、ずっと運転していた彼は疲れているはずだ。 だから『寝る』と言うかと思ったが、彼は真っ先にパソコンに向かい、メールをチェックして呟く。 「マジかよ…。」 俺はその様子を見てトラブルが起きたらしいと分かったが、砂塗れのハイドが荒潟の後に続いて入ろうとするのを土間で阻止するのに必死で、格闘しながら大声で叫んだ。 「ハイドを風呂で洗った方が良いか?」 「ああ…。」 荒潟は気のない返事をする。 とにかく、主の了承を得た俺は、ハイドをぐいぐい引っ張って風呂場に押し込めた。 ハイドを洗い始めて1分も経たずに、このハスキー犬が大の風呂嫌いだと分かった。 いつも臭くないから、荒潟に体を洗って貰っているはずだが、俺の事は格下だと思ってなめているのかもしれない。 大暴れするハイドを宥める余裕など既にない俺は、ひたすら追い駆け回して体を洗う。 俺もハイドも泡だらけ。
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