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夜、荒潟の家に次々と客がやって来た。
年齢も服装も違う男女が大量の酒や食材を持参し、好き勝手にわいわいやっている。
戸惑う俺に、荒潟が笑って言う。
「週に一度はこんな状態になるんだ。
みんな元々は仕事繋がりで、彼らから依頼を受けたり、逆に俺が頼む事もある。
いつの間にかこの家が溜り場になって、食事や飲み物は全部用意してくれるから、俺もみんなの好きにさせてる。」
荒潟の冷蔵庫に食材が詰まっているのはこのせいらしい。
見ると、キッチンで料理を作っている者もいれば、本を読み耽っている者もいる。
ハイドは女の子達に遊んで貰って嬉しそうだ。
主人の方は、パソコンの前で数人と仕事の打ち合わせを始めた。
俺が1人でソファーに座っていると、不意に男が声を掛けて来た。
「こんにちは。」
背は荒潟より低いが、彼と同じくらい日に焼けた肌に彫りの深い顔。
もしかして、兄弟?と思ったら、男が不思議なアクセントで言った。
「アラガタさんのお友達デスか?」
あれ?外国人?
「ぼく、ジェイム、デス。
お父さんがインド人、お母さんがアメリカ人デスね。」
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