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「こんにちは。
俺、筒海です。」
俺も挨拶を返すと、彼が聞き返した。
「ツツミ、さん?」
外国人でも、やっぱり俺は『ツツミ』になるのか…。
俺は一応、『ツツウミ ショウヘイ』だと言ってみたが、どうも通じなかったらしく、
「ショウヘイね。
ヨロシクお願いしますね。」
と返事をされた。
いきなり名前の呼び捨てで、俺は少し戸惑う。
でも、向こうもジェイムだから、俺もショウヘイでいいか。
開き直ったせいか、名前で呼び合う効果なのか、急激に親近感が湧いて、俺達はすっかり仲良くなった。
ジェイムはカレー屋のオーナーシェフだった。
俺は本場の辛いカレーが好きだから、彼の料理の話しを興味津々で聞く。
その時突然、すぐ背後で声がした。
「俺の作るカレーも美味いぞ。」
振り返ると荒潟がいた。
背凭れに顎を乗せて顔を突き出しているから、もう少しでキスする所だ。
俺は驚いて顔を離す。
でも荒潟は至って平気だ。
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