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すると、ジェイムが荒潟の肩に腕を回し、俺に言った。
「この人、ぼくのおニイさんデスね!」
しかし荒潟は顔を顰めて言い返す。
「顔が濃いからって勝手に兄弟にするな。
それに、おまえの方が年上だろ?」
ジェイムはなぜか大笑いして荒潟の肩を叩き、それから俺に尋ねた。
「ショウヘイはアラガタさんのオトート?」
オトート?ああ、弟ってこと?
いや、違うし。
でも、何て答えよう?
仕事仲間か、友人か?
迷っていた俺だが、ふと我に返る。
俺と荒潟って、そもそも、どう言う関係?
黙っている俺の代わりに、荒潟が答えた。
「将平は俺のスパイス。」
例えられた俺は…、正直、意味が分からなかった。
これはアメリカン・ジョークなのか?
それとも、カレー店の店長には通じる、あるあるネタ?
そう思って隣を見たが、ジェイムもやっぱり、きょとんとしていた。
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