6.

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見たい気持ちと消してしまいたい気持ちが綯い交ぜになり、俺は迷った。 でも結局、メールを開く。 『将平、色々ごめん。でも、俺は本気でおまえが好きだったんだ。だからこれからも友達でいたい。』 そこまで読んで、俺は頭に血が上った。 …何て勝手なんだろう。 こいつは自分が大事で、俺が傷付こうが構わないんだ。 メールはまだ先があった。 『おまえと2人でちゃんと話しをしたい。出来れば…。』 もうそれ以上見る気になれず、俺はメールを削除する。 今更話しをしても、健志の言い訳を聞くだけで現状は変わらない。 あいつは謝るかもしれないが、和解するくらいなら一生恨んでやる。 絶対許さないからな。 おまえがカノ女と結婚して子供が生まれても、俺は祝ったりしない。 きっと仲の良い家族になって、みんなで旅行したり、喧嘩したり、泣いたり笑ったりしながら、たくさんの思い出を作るんだろうな。 それは凄く幸せな事で…。 俺には一生手に入らない時間だ。
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