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「俺は自分で言うのも何だが醜い顔してる。それは自分で判ってる。それに俺は欲望に対して貪欲だ。意地汚い。
お前には話してないが、裏では人に言えない悪い事も平気でやってる。
なのにお前は金の為とはいえ、嫌がらずに俺に抱かれてくれる。
初めは演技かと思ったが、今のキスは嫌いな奴には出来ない事だ。なぜだ?俺なら俺みたいな奴、絶対に毛嫌いするがな」
「へえ。重ちゃん、そんな風に考えてたんだ。私はさ。善人ぶった奴より悪い奴の方が好き。皆正直だもん。
こんな世の中だからさ。法律に触れなくても悪い事してるのは沢山いるよ。
本当に悪い奴って、悪い事してるのを隠して善人面してる奴らだよ。私はそういう奴らが大っ嫌いなんだ。
でも重ちゃんはワルだけど悪い事してるって判ってる。だから可愛い!顔もね、ブルドッグみたいで可愛いよ。
私好きだもん、ブルドッグ!」
「おいおい。ブルドッグって、俺はペットの代わりかよ!」
東郷は嬉しそうだ。
「あ、重ちゃんが元気になった!ん~ここはどうかなあ」
圭子は東郷の股間へ手を伸ばす。
「おい、やめてくれ。今日はもう無理だ」
「うん。やんなくていいよ」
圭子は布団の中の下のほうへ潜っていく。
東郷はもう、院長や刑事の事は頭から消えていた。圭子が可愛くて仕方なかった。こいつの為なら俺は何だってやるぞ。
東郷はそう心に誓ったのだった。
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