第1章

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プルを開け、缶と缶を合わせ 「かんぱーい」 二人でテレビを見ながらビールを飲む。 夫はいつもより饒舌に話してくれる。 「充分幸せじゃない」徳子がそう思っていると、 「お前、随分悩んでいただろ?」 「え?」 夫の鋭い感に何も言えずにいると、 「お前が悩んでいた理由はわかっている」 徳子にもわかっていた。 散々悩んで悩んで、一時は殺す決意までしたのだから。
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