第1章

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涙、鼻水、嘔吐が止まらず、ソファーの下に倒れ込む。 「大丈夫か?」 夫は優しく背中を摩ってくれる。 「今はな……」 摩りながら話を続ける。 「カニクリームコロッケを超える作品を開発中で……」 罪悪感が体中を駆け巡る。 「今日試作品が出来たんだ……」 力強い夫に顔を見る。 夫の目線は、徳子が倒れ込んだ時に散らばった物を次々に追い、 「ビールなんだけど、中々上手く出来たと思う」 飲み終えた空き缶の上で止まった。
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