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――駿河家から脱出できた頃には、もう陽は落ちかけていて、杏色の空が私を照らしていた。なんだか物寂しい気持ちになる。
駿河の部屋から出る前に、私の連絡先を紙に書いてから帰った。
いまどき交換方法はいろいろあるだろう、と思ったけど、やつが紙に書けというので素直に従ってやった。
駿河の家から私の家までは、徒歩で10分もかからない距離だった。
あんなやつとご近所なんて本当に憂鬱だ。
「ただいまー」
「お帰り、莉緒、駿河さんところに遊びに行ったんだって?」
「……まぁ、そんなとこ。着替えてくる」
家でまで駿河の話をしたくなかった私は、適当に話を終わらせて自分の部屋に行った。
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