第2話 秘密

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ゆっくり時間が過ぎていけばいいのに。 そう思う日ほど、あっという間に一日が終わってしまうのはなぜだろう。 「莉緒は、今日委員会があるんだっけ」 「うん、そうなんだ。美鈴はテニス部に行くの?」 「そうそう、昨日まで体験入部だったんだけど、今日正式に入部届を出しにいくんだー」 部活の届け出を出すだけなのに、なぜか美鈴はとても嬉しそうだった。 テニス部に入るといい事でもあるのだろうか。 「へぇ、吉木さんテニス部に入部するんだねぇ」 私たちの会話にいつのまにかレオが入っていた。 神出鬼没というか、人懐っこいというか。 「そうなの。そろそろ私部活に行くね、二人とも委員会頑張って」 「ありがとー」 美鈴は部室へと向かい、私とレオは委員会が行われる二年の教室へと向かった。教室を出る前に駿河の様子を確認すると、彼はまだ教室に残っていて、帰り支度もしていないようだった。 ……本気で私のこと、待つつもりなのか。
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