第2話 秘密

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階段を2階分上がり、2年の教室へと向かう。 既に結構な人数が集まっていて、私たちが到着してから10分後くらいに委員会が始まった。 「今回の議題は主に生徒会で決定した事項の共有と、先生からの事務連絡です」 私とレオは隣に座って、先輩からの説明を静かに聞く。 彼からはシトラスの香りが漂ってきて、男の人の香水も悪くないなと思った。 レオは配られたプリントに読みやすい字でメモを取っている。 お調子者で目立ちたがり屋でチャラそうに見えるのに、意外と真面目のようだ。 ……気が付けば私は、委員会の話よりもレオの観察が主となっていた。 私の観察に気づいたのか、レオはふと隣にいる私のほうを向き、にっこりと笑った。その顔は悪戯っ子の少年のようで、その笑顔を見ただけで心が安らぐ気がする。
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