第2話 秘密

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駿河の部屋は青色を基調としていて、整理されているというよりは物が非常に少ないという印象だった。大きい本棚があり、たくさんの小説や参考書が並べられている。 とりあえず私は、床に置いてあった青色のクッションに座る。 駿河は私とは距離を置いて、ベッドの上に腰かけた。 二人とも言葉を放つことなく、重い沈黙が続いている。 ……あれ、私なんでここにいるんだっけ。 重い雰囲気を打ち破るように、扉の向こうから軽くノックの音が聞こえた。 「ケーキと紅茶の準備が出来たわよ」 「ありがとうございます」 おばさんはテーブルの上に紅茶とチーズケーキを置いて、すぐに部屋から去ろうとした。 ……ちょっとまって、行かないで! そう心の中で叫ぶと、それに反応したかのようにおばさんの足が止まった。
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