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「貴方は誰なの?」
女の子はソファに腰掛けた。
「びっくりしたわ。夜トイレに行こうと思って電気を付けたら貴方が倒れていたんだもの」
「ああ、すまない。雨が降り始めたから急いで入らせてもらったんだ。人が住んでいるとは知らずにね」
「ふーん、そうだったのね。ご飯食べてから帰る?お腹空いてるでしょう」
「有り難く頂戴するよ」
女の子は、はーいと言って走って行った。
「あ、ここのテーブルで食べるからテーブル拭いてくれるかな!」
テーブルをコンコンと2回指で鳴らす。
「分かりました」
私は鞄を開けてウェットティッシュと、財布から500円玉を取り出しテーブルの上に置いた。
拭き終わり椅子に腰掛ける。
「広い家だな。昨日は暗かったから全く気付かなかった」
広いにも関わらず食卓テーブルとソファとソファの前の長テーブル、大きな本棚しかない為、さらに広く見える。
「どんな本があるんだろう」
本が好きな私は本棚を見に行った。
小さい本から大きな本まで、合わせて1000冊はありそうである。
「あ、一昨日発売された柴田清美子先生の本じゃないか!」
思わず手に取ってしまった。
「ん?」
「ご飯出来たよー!」
慌てて本を本棚に戻す。
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