0人が本棚に入れています
本棚に追加
テーブルにはパンで目玉焼きとベーコンを挟んだサンドウィッチとサラダが置いてある。
「はい、手を合わせてください!」
「合わせました」
「いただきます!」
女の子はサンドウィッチをナイフで丁寧に小さく切り、フォークで口に運ぶ。
私はそのままかじりつこうとした手を止めた。
「…ん、そのまま食べていいんだよ!フォークで食べると友達は笑うけど私はこう食べたいの」
そうか、と納得してサンドウィッチをかじる。
「美味しい」
女の子がにこにことこっちを見ている。
「どうしました」
「朝ご飯を誰かと一緒に食べるの久し振りで」
「貴方の両親は?」
「暫く会ってないわ。一人暮らし始めて半年経つけど一度もね」
「…君、一人暮らし出来るのかい」
「え?」
戸惑った表情を見せる。
「あ!これでも18なのよ!」
「それはすまない」
私が笑いながら言うと女の子はムッと顔をしかめた後、口角を上げた。
「貴方、笑った方が素敵よ。ごちそうさま」
急いで残りのサンドウィッチを口に入れる。
最初のコメントを投稿しよう!