第1章

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西日が低く眩しくなると、 商店街のアナウンスが5時を知らせる。 この日は、縁日で夜店の支度はすでに始まっていた。 店主もいつもより店を長く開ける日… 「なぁハルオちゃん、 今夜は賑やかでいいよな、フフフフ」 そんな、ハルオちゃんがまだ幼い頃、 向いに住んでいた意地悪な おばさんは、うまく喋れない彼を よく怒鳴り付けるように 日頃の鬱憤をぶつけられるなど苦い思いを抱えていた。 嫌がるハルオちゃんは、おばさんが出て来ると 逃げるように 隠れたのだがわざわざ近寄っては、 長々と嫌がらせをされていた。 女だてらに、近所の嫌われ者で 「疫病神」と避けられていた。 店主のところに、縁日に出向いた 近所のおじさんが近寄って来た。
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