第1章

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「あっ、どうもどうも、売れてますか」 「いやいや、ボチボチですよ…フフフフ」 「あれっ、ハルオ君かぁ、いくつになったっけな」 「僕よりも少し上だからね」 「だよなぁ、65は過ぎたのかな、奇跡の子供だよな」 「あんなこともあるんだね」 「そういや、まだ御稲荷様に来る女達に、 例のあのダメな方も言っちゃうの」 「いや、さすがにバカ正直に言うのは懲りたのか、 黙ってるかさっちゃんだけよ」 「そりゃ、ハルオ君も利口になったもんだね…ほほほほ」 「僕は、ハルオちゃんが 見抜いてる時の表情で分かるけどね」 「そらそうだよな、世の中には 良い娘か普通の娘だけじゃない…ほほほ」 縁日の日は、より多くの訪問客が 御稲荷様に集まり長蛇の列にもなる。
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