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美咲の誕生日1日前、俺が起きた時には美咲は出勤した後だった。あの涙は相当こたえた。 完全に想定外だ。こんなに喧嘩が長引いてしまうとは思っていなかった。 今日もコーヒーメーカーを見ると俺の分のコーヒーは残っていないし、まだ美咲は許してくれていないだろう。 でもなんとなく美咲の怒っている理由がわかってきた。 よかった。少し前進した。 きっと、30歳の誕生日を前に俺がプロポーズを出来ていないから怒っているのではないのだろうか? もし、そうだとしたら仲直りは簡単だ。 俺は半年前から美咲の30歳の誕生日にプロポーズしようと計画をしていた。もちろん指輪だって予約した。 俺は抜けてるから美咲に見つからないように今日、実家に届いてる予定だ。ちょっと回りくどいが家に届くと美咲にばれる可能性があるから母ちゃんにも話して隠しておいてもらっている。 明日の誕生日に実家に連れて行って、そこでプロポーズするつもりだ。 そうすればどうしたって仲直りすることになるだろう。 俺は少しホッとした。 でも美咲は、「はい」と返事をしてくれるだろうか…… 頭に浮かんだ不安をはらうように俺はブンブンと頭を振った。 俺がなかなか美咲にプロポーズできなかったのは不安だったからだ。 美咲のことを俺よりも幸せに出来る男が現われるのではないかと思っていた。もし、そんな男が現われたら身を引くつもりでいた。 でも、いざそうゆう場面になったら本当に美咲のことを諦められるかわからなかったが…… 美咲の言っていたタイムリミットまで必死に美咲と釣り合うことのできる男になろうと頑張ってきたんだ。 本当は昇進してからプロポーズするつもりだったがタイムリミットに間に合わなかった。そんな俺に美咲は「YES」と言ってくれるだろうか?
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