生霊になったアイツ

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120日目 アイツはあれから一度も現れない。 とうとう……死んだのか? 知らぬ間に頬に冷たいものが流れる。 アレ……俺、泣いてるのか? いや、まさか……な そういや、スイートピーってアイツが好きだった花だったな。 せめて、墓前に飾ってやろうか。 花屋どこだっけ? パソコンで近所の花屋を検索する。 スイートピーの画像が目に留まった。 薄紫の可憐な花 アイツみたいな控えめな花 花言葉が添えてある 『私を覚えていて』 ……ああ、そうか。 アイツはこれが言いたかったのか 忘れないよ。 忘れない。 今度こそ涙と認めた滴が俺の目から溢れ出す。 俺、アイツのことが好きだったんだ。 今更気がつく自分の気持ち。 俺は、バカだ。 大馬鹿ヤローだ アイツの墓……どこだろう? 俺はマイコに電話をかけた。 「はぁ?何いってんの?彼女ならとっくに退院したわよ」 !?!?!?!?
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