序章 物語の始まり

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私と彼は政略結婚です。 私のいる世界ではあまり珍しくありません。 彼はアディソン家の御子息で、私はウェルヘルム家の娘です。 爵位はアディソン家が公爵ウェルヘルム家は伯爵です。 親が決めた縁談で顔もみたことがありません。 ですが、今日はそのアディソン家の御子息様、つまり、私の婚約者様であるジョアン=アディソン様が私の家へ来るそうです。 噂によると、ジョアン様はとてもお綺麗であるとか。 ですが、私には既にお慕い申している方がいます。 肌身離さず身につけているこの、淡い蒼色の小鳥のペンダントもその方が下さいました。 まぁ、その方にとっては私は妹のようであったと思いますが。 そういえば、ジョアン様にも想い人がいらっしゃるとか。 あぁ、もうすぐジョアン様がいらっしゃる時刻です。 私は令嬢の仮面を被ったアンドロイド。 今日も、求められる姿を演じます。
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