第一章

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______ 彼女は美しかった。 灰銀色の髪に、水色の目。 どれも、彼女の美しさを引き立てていた。 彼女の首元に揺れる小鳥の首飾り。 幼い頃に彼女に贈ったものだ。 それを今も身につけている。 惚れた男にとってそれがどれほど嬉しいことか。 そう、今でも俺のことを覚えていると思っても良いだろう。 だから、彼女に好きな人はどのような方か聞かれたときに「お前だよ」と言いたかった。 だけど、代わりに彼女の特徴を言っていった。 俺にとっては遠回しの告白である。 すると何を勘違いしたのか、次々と知らない令嬢のことを言ってきた。 だが、思い出したかのように顔を上げた。 やっと分かったか、と思うのもつかの間、『身分が低いのですね』と言いやがった。 彼女曰くこれは『世間体を保つため』の婚約らしい。 ふざけんなと言いたい。 彼女をずっと想ったことはなんだったのか。 彼女に『その恋、応援します』と言われた時は本気で泣きそうになった。
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