第一章

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まぁ、彼女をリーザと呼ばれるようになったのは嬉しい。 敬語を使わなくてもいいことも。 次の日曜日に会う約束もした。 目的は題して『意中の人を振り向かせよう大作戦』の話し合いである。 まず、お前の鈍感さを直せよとツッコミたい。 ふと、訪れた静寂。 改めて彼女をみる。 この国では珍しい灰銀の髪。 腰まである真っすぐな髪を結わずにおろしている。 澄んだ水色の瞳。 抜けるように白い肌。 仮面のような完璧で、作られた微笑み。 その表情からは、感情は読み取れない。 『案外、そう思うのはリーザだけかもしれないな』 ジョアンは心の中で呟いた。 あの時、ジョアンの想い人は誰かと考えていた時の目。 同じ年頃の令嬢達と同じ、楽しそうな表情。 いやもっと幼く、少年のようなイキイキとした顔。 内容は悲しいが。 リーザ、俺はその顔を観たくて仕方ないんだ。 ______
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