お世話に…

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  もぅ一度瞼を閉じると何故か直ぐ夢の中へ誘われた  ムクの子が眠りに入ってから暫く見守って居た レム 待てど暮らせど一向に変化が無く 彼の身体の回りに 何か無いか前足で空を引っ掻いたり 目を凝らしたりと 手品を目の当たりにした客の様な動きを始め 「何も変化無ぃじゃなぃ…ま いぃわ 変化なぃなら一緒に寝てあげれるし♪」 と満足顔で隣に添い寝し 「体格的には未だ乳飲み子ょね…食事はどぅしたら良いのかしら」 とそこへ ムク 登場 「変わってやっから喰ってこぃょ 後…その疑問 ついでに聴いてきたら?」 「ありがと そぅするね」 と部屋から出ていった それを見送りながら ムク が呟いた 「全く… あんな感情爆発してるの久し振りに見たな…ま それも こぃつが原因かな… まさか レク と同じ事するとはなぁ重なって見ぇちまぅよな」 そぅ 彼女は笑いを堪えて震えていたのではなかった 今は亡き レクが 同じ歳の頃 取った行動と酷似していた事に驚き そして この子を遣わせてくれた 御上と森守に感謝し 歓喜に震えて居たのだった 何処まで似ているのか 知りたく為った彼女は 過去と同じ行動を取るのであった ただ 同じだったのは行動までで 頭の発達度合いの違いから 思わぬ反抗に遇い 尤もらしい理由を付けて叱り出して仕舞った だが 話しを進める内に熱が篭り レクのつもりで 本気で叱って居たのだ そして 感極まって 呟いた言葉で 己の心の内を知るのであった 『この子まで失いたくない』
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