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「どぅやらの 御上と交信しとる様じゃ」
「こぉしん とは?」
「会話みたいなモノじゃ 地に落と… この世に生を受けた者が御上と対話は出来ぬ故な 然る可き地へ赴かねば為らぬ 時の流れが異なる故 時が掛かると云う事じゃ明日にでも目覚めるじゃろ」
「頻繁に起こるのでしょうか?」
「其れは当人に聴く事じゃな」
「助かりました」
「仕方なかろぅ継続者が世間に認知されるのは大概成体からじゃ
育ての者は知られて居らぬからのぉ 儂らの様な古き者に尋ねる他在るまぃ でゎの」
そぅ言うと枝から飛び降り
禽へ成り上空へ飛び去る
使いは其れを確認する事なく
巣穴目掛け走り出す
─────
───
──
─
使い
「─との事です」
長
「然様か 使いご苦労 下がって良い ムクょ聞いておったな行って レムの心労を解ぃてやりなさぃ それと子を責めては為らぬ ともな」
「はぃ…」
颯爽と部屋へ向かう ムク
「さて ムク達の分も含めた狩りに行こうか」
先程の使いの者が伴に付こうとしたが長は拒否し
「長代行に残れ ムクが降りて来たら巣の巡回で良いとな」
「しかし…」
「年寄り扱いするな次期長としての責務を果たせ」
長代行は回りを見渡し比較的若い衆5匹を呼び
「長の狩り方を観て盗め」と
長は代行を恨みがましく睨み
『やってくれたな…折角の息抜きが台無しではなぃか』
長代行は したり顔で
「お気を付けて」と
長達が出て行き数分後 ムクが降りてきた
代行
「長からの言伝てです 本日ゎ巣の見廻りで良い様ですょ」
ムクは「感謝致します」と言うと直ぐ見廻りへ駆けて行った
その頃 レムは
寝る子で戯れていた
傍に添い寝して 引き寄せ抱えてみたり ギュッと抱いたかと思えば コロコロッと転がしたり 子を抱いた侭二足で立ち ダンスしたかと思えば チョコンッと座り毛繕いしたりと
人形を プレゼントされて喜ぶ子供の様な 暇を潰している様な
其処へ声が掛かる…
ムク
「お前は 何をしてぃるのだ…」
「…ぃ…つ…」
「楽しみなのは解るが…」
「だって何しても起きないのょ」
「心は今 然る可き地に在るのだぞ 心が身体に戻れなく為ったらどぅするのだ?」
ムクの言葉に顔を青くした レムは急ぎ寝かせ 泣きそうな顔で拝む様に子を見つめ出す
ムクは 脅かし過ぎたかな と
思いながら近寄り レムの頭を ペロッと舐めて
「起きたら沢山構ってやろぅな」
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