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気を取り直して立ち上がる
『迷路かぁ…適当に行ってみっかな まぁ 大丈夫だろ』
右へ左へジグザグに進んでいると目の前に細長い棒の様なモノが通路に沿って見えてきた
『何だろう… … …ッ!?』
蛇だ 未だ此方には気付いてはいない様子 余り猶予はないものの相手の死角まで下がり暫しの考察
『食糧だ…前の世界では…ただ体格的に負ける可能性が有る…ってのは建前だょなぁ…』
幸いにも蛇の腹は膨れていた 獲物が入っているのだろぅ 後ろに進路変更するだけの幅は無い
『生の蛇咬み千切りたくねぇし…未だ心の準備が…
安全じゃなかったのかょ…俺がチキンなだけか? いやいや堅実なだけ…だと思いたぃ』
と己に言い聞かせ別ルートを模索する
──
─
通路より少し開けた空間に出た と2匹の毛並み オシキャット灰黒な大人が恰もスフィンクス宜しくな格好で此方を視ていた
「本日よりお世話に為ります」
どぅ接して良いのか解らない為
取り敢えず後足で チョコン と座り立ち ペコリ と頭を下げて様子を観ていると
右側の若い雄
「此処は棲みかの入り口だょ俺達君が来るのを待ってたんだ」
左側の若い雌
「中で長がお待ちょ行きましょ」
「ぁ…あの 来る途中…腹を満たした大きな蛇が居ました」
と前足で大きいを表現しながら伝えた すると雄が
「何!?其れは御馳走だ何処ら辺だぃ?」
『やっぱり食糧なんだね…』
大雑把に説明すると
「あんた行っといでょ長には言っておくから さ君は私と行くゎよ」
と徐に俺の背後へ回り
「じっとしててね」と囁いて
首根っこを銜える
「ぉおっ!?」
『これっ…
じっとも何も抗ぇね感が…』
胸にベルトを巻いて背後から吊るされた絵図が頭に浮かぶ
ぷらんぷらん揺られながら辺りを見やる
『結構大所帯なのね…して
中型って聞いてたから ジャッカル位かと思ってたのに…豹位有るのね…』
待機してた2匹が其れ程大きく無かったのは成体手前の青年層なのであろぅ
「無事着いた様ね」
言を発した者の前で そっと降ろされ
凛々しい雌
「私がこの群を取り仕切っている者ょ」
「お世話に為ります」
「名は有るの?」
首を振る俺
「未だ必要無いゎ 此処を発つ時までは ムクの子として ムクは入口で会った彼ょ そして 貴方の後ろに居る彼女が ムクの嫁のレム 貴方の里親ょ 2者とも若いけど他所から生き延びた兵ょ」
『ん?他所から生き延びた?』
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