夢遊病

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私は信じられない光景を目にする。 なんと、私が窓から義母の部屋に侵入し、寝入っている義母の首を 電気コードで締め上げ始めたのだ。 苦しそうにもがく義母。 私は鬼のような形相で義母の首を締め上げる。 やがて義母の体から力が奪われ、生の気配が消える。 すると私はのろのろと義母から離れ、防犯カメラに近づいて ぞっとするような微笑を浮かべながら話始めたのだ。 「孝子ちゃんを苛める人は退治したよ? 恵美子はいつでも孝子ちゃんの味方。」 私は驚愕した。恵美子という名前は、私が5歳の時に死別した双子の姉の名前だ。 私は5歳にも関わらず、姉の死んだ時のことは今でも鮮明に覚えている。 とても悲しかった。母によれば、1週間くらいご飯も食べられなくなり 点滴で過ごしたというのだ。 それほどショックで信じがたいもので、受け入れがたいものだった。 防犯カメラの映像はさらに続いた。 「2年前にも、孝子ちゃんを苛めるおじさんを退治してあげたよ。 あのおじちゃんは孝子ちゃんがいるのに、若い女の人と浮気して 孝子ちゃんを泣かせたよね?それを孝子ちゃんが責めたら 孝子ちゃんのことを、ぶったよね。 絶対に許さないって恵美子は思ったの。 だからね、おじちゃんが寝た時を狙って首を絞めて 殺してあげたよ。 おじちゃんは重かったけど、こっそりお庭に運んで 埋めたよね。おばあちゃんには、おじちゃんは釣りにでかけて 行方不明になったって言った。 そして、岩場に行って、おじちゃんの長靴と釣竿を置いて 海に落ちたと見せかけた。 孝子ちゃんは優しいから。あのおじちゃんが埋まっている あの場所に、おじちゃんが大好きだったチューリップを 植えようとしたんだよね? そんな優しい孝子ちゃんの気持ちを、おばあちゃんはどうしてわかってくれなかったのかな。 孝子ちゃんに酷いことしたんだから、当然の報いだよね?」 私がカメラに向かって問いかける。 「ちょっと待って、なんで防犯カメラなのに、音声が入ってるの? こんなのでっち上げじゃない!」 そう私が声を荒げると、刑事は言った。
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