夢遊病

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掃除をすれば、やり方にいちいち口を出す。 廊下をモップがけすれば、そんな物で汚れが落ちるはずが無い、 昔ながらの雑巾がけをしなさい、だとか 洗濯をすれば、色ごとに洗濯を分けてしなさいだとか いちいち口を出すのだ。 いい加減うんざりしていた。 そして数日後、私は、真っ裸で目が覚めた。 一番びっくりしたのは自分だった。 何故、裸なの? そう思って、ベッドの下を見たら、ぐっしょり濡れた、パジャマと下着が 放り投げてあったのだ。 ああ、暑いから全部脱いだのか。 それにしても、その時の記憶が全く無い。 本当に窓の時といい、今回と言い、気持ちが悪い。 これって夢遊病っぽい物なのかな? まあ、これくらいで夢遊病だなんて言わないか。 私は軽く考えていた。 だから病院へも行かなかったのだ。 そして、数日後、私はまた不可解な目覚めをしたのだ。 朝起きると、ベッドの中がやたらザラザラするので、布団をめくった。 すると、足や手が薄汚れていて、土が着いているようなのだ。 何故?不思議に思いつつも、ベッドのシーツを洗濯機に放り込み お風呂のシャワーで足を洗って、お風呂場から出た。 すると、義母が、眉間に皺を寄せて立っていた。 「あなた、どうしちゃったの?夕べは。」 そう言われ、私は何のことかわからずキョトンとしていた。 「何のことでしょう?」 「何のことでしょう、じゃないわよ。覚えてないの? あなた、急に夜中に起きてきて、裸足で庭に出て チューリップの球根を庭に植えだしたのよ? まだ時期的に植える時期じゃないし、明日やればいいじゃない、 って何度言ってもあなたは黙々と手で土を掘り続けたのよ? 自分の手を見てみなさい、きっと爪もひどいはずよ。」 そう言われて見ればそうだ。爪の間にも泥がたくさん入り込んでいて しかも指先が痛い。 「しかも、あなたったら、裸足で庭に出てるもんだから、そのままの足で 家の中に上がりこんで、泥だらけのままベッドに入ってしまったのよ。 私がいくら声をかけても、聞く耳を持たなかったんだから。 ちゃんと足を洗いなさい、手を洗いなさい、って何度も言ったのに。」 義母はヒステリックに叫んだ。
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