第1章

4/10
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
その日も、女どもから様々な雑務を言われ、こなして終わった時には、残業で残っていた俺が終わる時間になっていた。 『お疲れ様でした。ではまた明日』 いつもと変わりなく帰ろうとする萌に、俺は声をかけた。 「なぁ……一緒に焼き肉食いに行かないか?」 別に邪な気持ちがあったからじゃない。 単純に、見ていられなくなって……確かに萌は美人というか美少女みたいな顔立ちだが、狙ってはいない。 そんな誰へともわからない釈明をしつつ、萌に入り口近くに座るように促し、俺はその隣へ座る。 テーブルが2組ある大部屋で、畳間。 襖は常に空いていて、外からは店の喧騒が聞こえる。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!