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場所は変わり この街の外れにある森の中……
ここは緑が多く、木々の爽やかな香りが漂う綺麗な森林浴の場所………だった。
今は緑の保護色である赤で染めあげられ、爽やかな香りの代わりに生々しい臭いが充満していた。
「ったく…雑用ばかり俺に押し付けやがって…」
真っ赤な海の中心に立つ景は腕を組んで、ため息をつき、めんどくさそうな顔をする。
そんな景の足元からいばらの如く伸びている無数の影は数十人の男達の心臓を貫いていた。
「やっぱ、こっちの世界には期待するだけ無駄か」
パチンと指を鳴らし影を足元へと戻す。
支えていた影がなくなり、男達の死体は力なく落ちた。
「今回は心臓を一突きなわけだし、それ以外に傷はないからケルベロスも好んで食うだろ」
よし、帰ろ。と足を前に出そうとした瞬間
カサッ
「っ!?」
木々の間から葉を踏みしめる音がし、景は咄嗟に指を鳴らす準備をして振り返った。音のした方を見た景の視界には
「これはどういう状況か説明してもらおうか?」
眼鏡の奥から紅い瞳で景を睨みつける白夜がいた。
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