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「あぁ…うん。そうだったね」
青年は振り返りながらそう言うと
「ちょっと人探しをしてたんだ」
クイッと眼鏡を押し上げて景の方へ向き、
「まぁ、丁度 探してた人は見つかったからここから出るよ」
と優しそうに微笑んだ。
「っ!?」
青年の顔を見た景は目を丸くして
「え!?びゃ、白夜さん!?」
その青年の名前を呼んだ。
「やぁ、景。いつ以来かな?」
白夜は爽やかに微笑んだまま景に歩み寄る。
「えっと…いつ、以来でしょう……」
景は視線を少し横にずらしてから
「というか、いつからこっちの世界に来てたんですか?魔界の統治とかあるんじゃ…」
「その辺はご心配なく。魔王様から直々の命令でこっち来てるから」
「あぁ、あの人、じゃないあの王は……」
景はため息をつくと、改めて白夜を見上げ
「参謀である白夜さんが受けた命令って何ですか?そんな重要な…」
「いや、人間界の知識を取り入れて来いっていうだけの話だよ」
「…あ…そうですか」
景は予想外な返事に拍子抜けした。
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