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「白夜さん…いつの話してるんですか。あれから だいぶ経ってるんですよ?当たり前じゃないですか」
「ん?そんなに前だっけ?つい最近の気がするけど…」
景は軽く笑うようにため息のようなものをつくと
「これだから長生きの魔物は嫌ですね。時間の感覚が違いすぎる」
首を横に振りながら言った。
「俺が長生きしすぎてる年寄りみたいに言うな!まだ若い。それに、俺は景と同じ人間とのハーフだぞ?」
白夜は腕を組み眼鏡の奥で目を細めた。
「白夜さんは魔物ベースでしょう?同じハーフでも白夜さんと違って人間ベースなんで」
景は自分の胸に手を当てながら言った。
「そう言えば、そうだったな…」
白夜は渋々納得をした。
「人間よりは長生きでも、魔物に比べちゃ下級以下ですよ。それに比べて白夜さんは上級魔族な訳ですし~ハーフなのに魔物に近い良い立ち位置ですよね」
景は白夜に背を向けつつ冗談っぽく少し口角を上げながら言った。その言葉を聞いて白夜は紅い目を先程より細めて低い声で
「景?」
と名前を呼んだ。
「はい?」
景は振り返り白夜を見上げる。
「っ…」
その瞬間息を飲んだ。
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