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「上級とか下級とかそういう話をしないでくれって言わなかったけ?」
満面の笑みでそう言う白夜に景は背筋を震わせた。
「そういうの嫌ってるって知ってるよね?」
白夜の背後に太陽があるせいで顔に影がかっていて裏のありそうな笑顔である。
景はゴクリと息を飲み消えそうなほど小さな声で
「……す、すみません。」
と呟いた。
それを聞きとった白夜はフッと笑うと
「傲慢の化身とまで言われた景が素直に謝るとは、傲慢の名が廃るんじゃないか?」
とクスクスと笑った。
景はムッとして
「別にいいですよ。傲慢の化身って呼ばれてるのは憑いてる魔物の方ですし、人間である今は関係ないです」
と腕を組みツンとそっぽを向いた。
「ハハッ、知ってるよ」
白夜はまだクスクスと笑っていた。
「なら言わないで下さい……あ、」
景は何か気付いたようにわざとらしく声を上げると
「長年生きてるお年寄りさんにそんな事言ってもまた、忘れちゃいますかねぇ?」
とニヤニヤと笑いながら言った。
白夜はピクリと一瞬眉を動かすと
「……煽るようになったじゃないか。俺はまだ若いって言ってるだろう?それとも、俺を挑発してあの戦いの決着をつけたいのなら…本気でかかってくるといい。相手をしてあげるよ」
ニッコリ笑顔の表情のまま言った。
「嫌ですよ。何で本気で戦ってくれない相手に本気で戦わなきゃいけないんですか、しかもこんな昼間に」
景は挑発的な笑のまま答えた。
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