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最近のこの部では深刻な事態が起きていた。どんどんと顔を出す部員が減っていったのだ。
「えー、みんな聞いてくれ。たとえ人数が減ってもこの部は永遠につづくからな」
キャプテンが悪いわけではないのに。でもきっと誰も悪くないのだ。こういう世の中なのだから。だから覚悟はしていた。
だがある日キャプテンが部活に来なくなった。みんなと同様の理由だ。聞くすべなんかなかった。私たちは涙にくれた。これから私たちはどうすればいいんだろうと。
わたしも部をやめようかと考えた。私がこの部に入っていたのはキャプテンがいたからであって、そのキャプテンが部に現れないのなら。もう続ける意味はない。別に葵とはいつでも会えるのだから。もう特に未練はない。そう決断し、最後の日と決めた日。部が終わり、私は何も言わず、みんなのように予告なしで去ろうと考えていた。ところがヒロトが視界に入ってしまった。私はとくに意味もなく無視しようとしたが、最後くらいだし声をかけてやろうとおもって。
「サヨナラ」
そう吐き捨てるように言った。
すると、
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