141人が本棚に入れています
本棚に追加
「あーあ。征司お兄様じゃなくてよかったよ」
人の気も知らないで。
洗面台にもたれかかったまま
和樹がしらっと言う。
「言えてる。今の、彼が聞いててみろ。まったく火に油を注ぐようなもんだ」
「燃えますね」
「間違いなく」
冗談を言って
笑いあって。
ふっと
こちらも気が緩んだ瞬間。
「アアァッ……!」
狙ってたんだ。
シザーハンズみたいな彼の指。
見事に突き立てられていた。
最初のコメントを投稿しよう!