鴨は突然、葱をしょって

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「へえ、これってある意味、合コンっぽいよね」 「は?仕事だよ?」 加奈はニヤリと笑った。 「だってさ、全員、確実に若いでしょ? 市内の若者を集めるんだからさ、出会いだってあるわけじゃん。 あわよくば、婚姻成立させて、出生率の増加?」 「そこまで狙うかなあ?」 「チャンスじゃん!玲実。」 とっさに浮かんだ顔を振り払って、私は思い切り否定した。 「無理無理。 だいたい、私の入るチームって、保育士さんが多いみたいだし。 女子率高いよ」 ちょっと残念そうな顔をしてみせる加奈。 「えー。紹介してもらおうと思ったのに」 どっちがあわよくばだよ。 ため息をついて、私は日程表を確認した。 最初の顔合わせは、明後日の夜だ。
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