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カオスと化していた部屋のあちこちから、まあ、出るわ出るわ、過去の俺の残骸。
玲実が陸上で表彰された時の新聞記事まで、取ってあったんだから。
休日にバタバタと騒ぐ俺に、家族は何事かと見に来ていた。
古いエ〇本を束にしていると、弟が顔をしかめた。
「兄貴、こんなの保管しておくなよ……」
「うるせー。
読みたかったら、持ってけ」
「いらねーよ、彼女に怒られるわ」
ちっ、自慢かよ。
それでも、俺と違って綺麗好きな弟は、文句を言いながら手伝ってくれた。
「孝樹も、やれば出来るのねー」
母親が、呆れ半分、感心半分、という風にまじまじと部屋を見る。
「でも、急に身辺整理だなんて。
……あんた、もしかして、結婚を考えてるとか?」
「身辺整理って言うな。
ちげーよ、単なる、心境の変化」
「兄貴、失恋した?」
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