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「だって、付き合って何カ月!?
ありえない、信じらんない!」
「菜々美ちゃん、人それぞれだからさ」
「だって、加奈さん!
今時、健全な男女が何カ月も付き合ってて、キス止まりって!
しかも、玲実がまだバージ……んぐっ」
どんどんボルテージが上がる菜々美ちゃんの口を、とっさにテーブル越しに押さえつけた。
「でかい声で言わないでよ」
と睨みつけると、私はゆっくりと手を離した。
「いいじゃない、清らかな交際なんだから」
そもそも、私たちが本当に付き合い始めたのは、春頃からだ。
「それに、お互いに実家暮らしだし、仕事も忙しかったし」
「言い訳だね」
と、加奈はバッサリ。
「両角さんも気の毒に……」
「よく耐えてると思うわよ。
それか、玲実に色気が足りないか」
失礼な!
出るべきところは出てるから!
それなりに。
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