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「まあね、あんたの場合は、ストーカーのこともあったから、余計にデリケートになってるんだとは思うわよ?
実際のところ、どうなの?」
「どうって?」
加奈は、追及の手を緩めない。
「抱かれたい~とか思わないわけ?」
絶句しているうちに、顔に熱が集まる。
「あー、純情玲実ちゃんは、可愛いなあ」
と、明らかに棒読みする菜々美ちゃん。
ここは、居酒屋の個室。
なぜか、加奈と菜々美ちゃんと私という、異色の組み合わせで飲んでいるわけだ。
ちょうど二人からの誘いが重なったので、じゃあ3人で飲もうと加奈が言いだし、今に至る。
しかし、肉食系女子の菜々美ちゃんと、健吾君と絶賛同棲中(お父さんの許しが出た)の加奈は、私を酒のネタにしようと、ひたすら突っ込んでくるのだ。
もう勘弁して欲しい。
「は、離れたくないなとか、思うことはあるよ?
でも、どう伝えたらいいのかわからなくて」
「両角さんも、どこまで手を出していいのか、わからないんだろうなあ。
でも、大事にされてるじゃない」
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