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「良平、もう上がる時間だぞ」
俺は望月さんの声ではっとした。
いつもそうだ、時間はあっという間に過ぎていく。
「お前の集中力は素晴らしいよ。
お前はさ、若いんだからこんな所で油売ってないで、さっさと他の所でその力活かせよな」
望月さんはいつもそう言ってくれる。
自分でも分かってる。それが一番良いと。
だけど集中力なんて特技にも資格にもならないと思うと、一歩踏み出すことができない。
「じゃ俺、先に帰るわ。
また明日な」
いつも通りに難しい顔をした俺を見て、望月さんは帰っていった。
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