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『拾ってくれ~。拾ってくれ~』。
結局その後。改造拳銃で射たれようが。肉切り包丁で切り刻まれようが。
コケシに見える物体には傷一つつかずに。飽きた僕達兄妹が歩み去ろうとすると。僕達の後ろをコロコロと転がりながら付いて来ました。
『兄様どうされますか?』。
『拾って欲しいみたいですから。このまま学校まで行きましょう紅葉。誰か学校の人が拾うかも知れませんし』。
『はい。兄様♪』。
僕と紅葉の兄妹は。仲良く手を繋いで学校へと向かいました。
『拾ってくれ~。拾ってくれ~』。
コケシに見える物体は。学校の校門が見える所まで転がりながら付いて来ました。
『お、御早うございます。御兄妹様』。
学校の校門の所で生徒指導をしていた。身長190㎝の体育教諭がいつもの通りに、僕達兄妹に土下座して朝の挨拶をしました。
『拾ってくれ~。拾ってくれ~』。
土下座している体育教諭は、僕達兄妹に続いて学校の校門を転がりながら入って来た。コケシに見える物体に視線を向けて。
『御、御兄妹様?。そのコケシは何でしょうか?』。
僕と紅葉は手を繋いだまま。土下座している体育教諭を見下して。
『何故、僕達に関わりがあると思うのですか?』。
『ゴンッ!!』。
体育教諭は地面に額をめり込ませながら。
『お、御許し下さい。御兄妹様!!。つ、妻は。妻はまだ以前の傷が治りき切っていないのです!!。お、お怒りなら。私一身でお受け致します!!』。
『拾ってくれ~。拾ってくれ~』。
『拾ってあげなさい』。
『………はっ?』。
体育教諭は土下座したまま。僕達兄妹の事を見上げていますね。
『そのコケシに見える物体を拾ってあげなさいと言っているのです。嫌ですか?』。
体育教諭はブルブルと震えながら。首を横に振って。
『い、いえ。滅相もございません!!』。
体育教諭は立ち上がると。コケシに見える物体を拾おうとしましたが…。
『拾ってくれ~。拾ってくれ~』。
コケシに見える物体は。体育教諭の手をすり抜けて逃げ回っていますね。
『僕達はこれから授業を受けますから。放課後までに拾っておいて下さいね』。
僕と紅葉の兄妹は。仲良く手を繋いだまま。体育教諭を残して学校の校舎の中に入りました。
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