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「っ、!すみません!俺、」
慌てて謝ると、哲さんは至って普通に返してくれる
「気にするな。もう20年も前の話だ。俺自身気にしていないし、いまだに引きずっていたら警察官なんて務まらない。」
車を運転しながら穏やかな横顔でそう言った哲さんは本当にお父さんの死を気にしていないようで。
いや気にしていないとは語弊があるかもしれない。
哲さんは衝撃的で残酷な出来事に正面から向き合い、乗り越えてきたからこそ今の仕事をしているのだろう
「尊敬、されてるんですね」
自然と出た言葉だった。
哲さんが引きずっていないのなら俺がこれ以上謝る必要はない。なんて声をかけようか迷ったとき、浮かんだのはこの一言。
「………」
チラリと目だけで俺を見て、驚いたように僅かに口を開けた
今までの質疑応答の間よりも少し長めのタメがあって、漸く俺に声が届く
「…ああ、そうだな」
嬉しそうに、そっと思い出を包み込むように
哲さんはやさしくほほえんだ
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