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服の中に入り込んできた手が汗ばんでいて、哲さんもいつもとは違う状況に多少なりとも興奮しているということが伝わった。
焦らして焦らして俺の息が次第に上がってきたところでようやく上のシャツを脱がせてもらえた
白昼に晒された肌は頼りなさげに震えていて、自分の薄っぺらな筋肉が彼の目に映っているかと思うと情けなくて、それでいて欲情する
そのままの流れで哲さんが俺のベルトに手をかけて、俺は制するようにその手に触れた
「…俺だけ裸は、いやです」
正直この状況で俺だけ服を剥がされるのは傍から見ると滑稽だから、という僅かな理性が働いたのだが、哲さんはまた目を丸くしてそれから可笑しそうに笑った
「本当に積極的だな?こんな颯太が見られるのならたまにはホテルに連れてくるのも悪くはないな」
そう言ってクツクツと喉を鳴らしながら自らシャツを取り払った
その仕草は何度見ても色っぽくて、目に見えないフェロモンに当てられて視界がチカチカと眩しく輝くようなそんな気がする
「見惚れた?」
俺のへそをクルリと撫でる
何とも言えないむず痒い感覚がお腹に走って俺は身をよじった
「どうしたらそんな色気たっぷりな大人になれるんですか」
「そう思ってくれているのは光栄だな」
そうして哲さんは俺にまた覆いかぶさって、まるで犬が飼い主に擦りつくように俺の首にマーキングの痕を残していく
軽いリップ音が可愛らしくて、なんだか哲さんには似合わない
同じように痕をつけるならもっと豪快に、痛いほどに、俺のカラダに哲さんという存在を刻みつけてほしいのに
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