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握った鍵は冷たくて、火照った体に強い刺激となって手の中で反発する
暫しその鍵を見つめて俺は顔を上げた
「今日はありがとうございました。すごく楽しかったです」
「俺も楽しかったよ。またな」
「はい、また…」
惜しむように車を出て哲さんを見送る
1度だけ俺と目を合わせて彼の車はマンションの方へと消えていった。
テールランプが見えなくなるまでその場に立ち尽くしぼんやりとその姿を目で追っていた
(合鍵、もらっちゃった……
この意味を考えていいのかだめなのか……)
ぎゅっと鍵を握り締めて込み上げる感情を抑え込む
今にも叫びだしたい気分だけど嬉しさと哲さんの考えが読めない不安が頭の中をぐるぐる回ってポロリと涙が1つ零れた
「でもまた会っていいんだ、また会えるんだ…!」
俺は少しだけ哲さんの”特別”に近づけたような気がして
これからどうなるかわからない恐怖も募っていたがやっぱり嬉しさが勝るもので。
俺は強く涙を拭って俺は冷えた部屋に帰っていった
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