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「颯太、今日はドライブに行こう」
「ですから俺は…」
「俺が行きたいんだ。」
言葉を遮るようにして言われてしまえば俺は拒否できない
「ああ、でもその前に署に書類を置いていかないといけないから先にそっちに寄るがいいか?」
「俺は全然…」
「じゃあ決まりだな。」
曖昧に返事をすると哲さんは強引に決めてしまった。
俺は別に哲さんと出かけることが嫌なわけではない、それは断じて。
ただ、哲さんには彼女が、とか
忙し仕事の休みを俺なんかと過ごして、とか
いろいろ考えてしまうのだ。
俺を抱きしめていた哲さんの腕が解けて背中から温もりが失われる
立ち上がった彼に手を引かれた起き上がれば、腰の痛さに一瞬顔を顰める。しかしなんとか立ち上がり下着を身に着けた。
「それじゃあ準備しようか、先にシャワーを浴びておいで」
柔らかく笑った哲さんにうつむき加減に頷いて、俺は寝室を出たのだった
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