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「あ、金平さーーーん」
哲さんに声をかける人が、1人
「どうした羽田」
俺と大して身長の変わらない可愛らし顔立ちの男性だ。
哲さんは手に持っていた書類を机の上に置き、羽田と呼んだ男性に目を向ける
「勇が俺のこと殴る~」
「殴っていませんし、名前で呼ばないでください!」
もう1人、勇と呼ばれた男性は対照的に背が高くガタイも良い人だった。
哲さんよりも少し高いくらいで短髪。外で会ったら声をかけづらいような強面、という印象だ
「あー、はいはい。わかったわかった。
それより稲葉、お前は気をつけろよ?」
「…すみません」
ワッと声を荒げたかと思うと哲さんの一言でしゅんと項垂れる。
もしかして勇さんがさっき哲さんが言っていた”問題児”だろうか?
「っていうか金平さん、この子誰ですか?迷子?」
3人を哲さんの後ろから観察していた俺を覗くように見つめてきたのは羽田さん
哲さん越しにひょこりと顔を覗かせて、俺は驚いて一瞬体が硬直した
「いや、俺のツレ。
こう見えてちゃんと成人してるからな」
「え!?マジ!?中学生かと思った…」
(中学生!?!?!?)
高校生にすら見えないとは…
俺ってやっぱりそんなに童顔?
ショックでまた固まった俺を励ますように哲さんはぐしゃりと俺の頭を撫でる
「ってうか羽田さんだって人のこと言えないじゃないですか…」
「あっバカ。それ言うなって」
「颯太、コイツいくつに見える?」
呆れた声を出した勇さんと面白そうに羽田さんを指さす哲さん
俺は首を傾げながら見たままの年齢を口にした
「社会人で警察官……俺より少し上だから……いってても25歳くらい…?でももっと若くも見えます……?」
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