第1章

3/3
前へ
/3ページ
次へ
「あ、ああ。…グーーッ」 俺のお腹から音が出る。 「…朝ごはんを作ってやろう。キッチンはどこだ?」 「作りましょうか?だろっ?」 「言うわけねぇだろ。クソニート。早くキッチンに連れてけ。」 本当に口が悪いな。よくこれで執事をやってるもんだ。 「こっちだ。来いよ。」 「無駄にでけぇ、キッチンだな。お前は何が食べたい?早く答えろ。」 「お前じゃねぇ。エレンだ!エレン様って呼べ!」 「エレン、早く答えろ。」 リヴァイは素早くエプロンに着替える。 「様つけねぇのかよっ!…そうだなぁ、フレンチトーストが食いたい!!」 「わかった。そこでおとなしく待ってろ。」 “コンコンッ パカッ カッカッ ジューッ” 俺はなぜかコイツに見とれていた。低い身長、するどい目付き、サラサラの髪、首筋に流れる汗。美しいな、と感じた。 「できたぞ。運べ。」 「じーーっ…」 「何見てんだよ。早く運べ。おい、人の話聞いてんのか?」 「ああ、わりぃ。うわっ!めっちゃうまそうっ!いただきますっ!」 「ああ、食え。」 「うわあぁぁっ!めっちゃうまい!甘さも食感も、最高だっ!」 リヴァイがポカーンとしてこっちを見ている。 「何ポカーンとしてんだよ。お前は食わねぇのか?」 「えっ、俺も食っていいのか?」 「はぁっ!?当たり前だろ!?作った人が食うのは当たり前だろ!」 「エレン、お前は優しいな。俺は執事を何回かやってきたが、俺に優しくしてくれたのはお前だけだ。その…ありがとな。///」 リヴァイが照れる。 「なっ、何照れてんだよ!ほら、一緒に食おうぜ!」 「ああ。いただきますっ。」
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加