第1章

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昼休憩のチャイムが鳴ったので、俺は、かなり急ぎ足で教室を抜け出し、便所に篭った。 途中廊下で「待って康くーん」って幼馴染の声が聞こえたけど、無視した。 だってね、それどころじゃないからね。 ああ、家に帰って魔法少女ホロリー第5話観たいぃいい! やっぱり二次元に限るよね。 便所に篭ってると。 男子の話し声が聞こえてきた。 「いや、さっきの香山がまさかあんな下ネタいうキャラだとは思わなかった、超イケメン君が下ネタ言うと違う意味で場が凍るな」 俺の事だよね? 超イケメンとか言ってるけど完全にバカにしてるよね、どう考えてもグロ面です、本当にありがとうございました。 ああ、ブサイクにブサイクって言えないからね。 俺はちょっと涙目になりながら、便所飯を平らげた。 ああ、クッソ、イケメンに生まれたかった。 ああ、チャイムが鳴った。 教室行くの気が重いなぁー、嫌だなー。 ちょっと保健室行こうかな。 俺は保健室に向かった。 ガラガラと引き戸を開けると、保健室の先生が女子生徒と喋ってる。 「あら、香山さん、どうしたの、珍しいわね」 先生がニチャって笑ってる、この先生もほんとブサイクだね、僕が言える身じゃないけど。 「ちょっと体調悪くて、休んで良いですか?」 先生の隣に座っていた女子生徒が僕を見つめる。 「貴方が香山康さん?」 うわぁ、この人よく見ると本当にブサイクだなぁー、なんで女子生徒はこんなブサイク率高いの? 「えっと....」 「私、生徒会長の二階堂真里よ」 うん、知ってる。 「じゃあ、またね、香山さん」 そう言って生徒会長は出て行った。 ああ、今日は保健室で引き篭ろう。
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