石鹸の銘

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その日の夜、俺は石鹸を作ることにした。 騙されたに違いないと思いながらも説明書通りに石鹸を作り終えて早速顔を洗ってみる。 とくに普通の石鹸と変わりないような感じがする。 やっぱり騙された。 嘆息を漏らして項垂れる。 次の日、一応石鹸を使う。 その次の日も、そのまた次の日もその石鹸で顔を洗った。 一万円もしたのだから使わないという選択肢はない。勿体ないからな。 その石鹸を使って一週間が経ったころだった。 ふと小説のアイデアが浮かんだ。 えっ、これはまさか!? この日を境に、俺は流れるように小説を書き続けることができるようになった。 もちろん、小説大賞で大賞を受賞もした。 信じられない展開だ。
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