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Three
ふと、視線を上げると、皓太と視線がぶつかる。
なにかいいたげな視線。
胸が苦しくなり、自分からふいっと視線を外す。
彼が、理緒に仕事を頼んでいるのが聞こえる。
はぁ、と溜息をつくと、隣の後輩がすかさず声をかけてくる。
「幸せ逃げますよ」
「もう、とっくに逃げてるかも」
「またまたー」
「加瀬くんはいつも元気で羨ましい」
「まぁ、空元気でも出しとけばいいことあるかな、と」
ふわ、っと、彼が笑う。
キラキラだ。
朱里はそんな彼が、眩しくて瞬きをした。
「朱里さん、口紅変えたんですか?」
「エッ?わかる?」
「キラキラで可愛いッス」
優しいね
朱里が口の中で小さく呟いた。
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