第1章

2/5
前へ
/5ページ
次へ
このアプリは、過去の自分を少しだけ操作できます。 操作出来る範囲は、あなたが決めた金額で決まります。 別のサイトから強制的に飛ばされたこのサイトには、控えめにそのような文章から始まっていた。 『まさか、そんなことあり得ないだろう?』 僕は、架空請求の新手か何かだろうと高をくくっていた。 但し、安全保証のため、一人が操作出来るのは一度きりで、一操作のみに制限しています。 『やけに興味をそそる文章だな、完璧に相手の思う壺だ』 その下には、クレジットカード情報と金額の入力欄、そして、インストールのボタンがある。 『面白そうだから、騙されたつもりで千円だけやってみるか』 そして僕は、このアプリを手に入れた。 スマホのホーム画面には、アイコンが表示されている。 アプリを起動させると、《自己責任の上、操作して下さい》と注意書きが表示され、《承諾》《終了》が選択可能となった。 僕は迷わず《承諾》を押した。 次の画面には、年月日と時間、そして《過去へ》が表示された。 『もしかして、未来も入力出来るのか?』 色々と試してみたが、未来が表示されることはなかった。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加