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龍の目覚め
暗闇の中の道なき道を走る者たち…強い瞳で駆け心には悪い予感がある、向かう先を見据えていると…先の一点が明るく赤く染まった。
(!…間に合うか…)
最も先んじる男は思い更に速く駆ける、しかし闇を抜けそこへ着くと…惨状が広がっていた。
「…遅かった…か」
愕然とする…炎に包まれた家と人々の遺体だ、女も子供も全て…ある者は引き裂かれある者は下半身を残し消えていた…その中を歩く男はかろうじて原型を留めていた少年の遺体を抱きしめた。
「…還れ…純善なる御魂よ…」
そう唱えた男…少年の遺体から光が上がり消えた、男に共に来た男が言う。
「長…奴らは…」
「…分かっている、例の物を奪ったんだろ?ならば俺は…奴らを止める」
長と呼ばれた男はそう返し辺りを見回す、生存者はなく未だ炎が上がっていた…目を閉じつぶやく。
「…皆の心…無駄にはしない、必ず…守ると誓う」
そして長は去っていく…戦いの始まりであるこの件は表から隠される、ただ静かに…舞台のある街に移る。
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